5:夢見の庭では足りないわ

 

果たして何故こんなことになったのか。俺はただ相変わらず保隅が気に食わなかったので顔面に一発殴っただけなんだがな。
山義の野郎に見つかったのはそりゃ運が悪かったとしか言いようが無い。そこもまぁ、スルーしよう。
問題は所謂被害者の保隅だ。説教されてる途中一応隣に居たんだが、山義になにか言われる度にキョドって結局怒鳴られてたのは傑作だった。
しかし最終的な結論が「お前らもう少し仲良く出来ないのか?いくらなんでも問題が多すぎるだろ。……そういやな、今度の祭で知り合いが出店やるんだが、お前ら手伝わねぇか?手伝うよな、仲良く手伝ってくれるよな、ん?」とか、
ちょっと待て山義の知り合いってどうせヤーさんだろふざけんなと反発したところ目の前が真っ暗になり後頭部に激痛、建築物にひびが入る音。
詳しいことは後でなと言い去っていく山義の姿は俯いていたせいで見えず、突然の暴力に挙動不審になった保隅の落ち着かない足元が目に入った。
……とりあえず、もう後戻りは出来ない。不本意だが、大変不本意だが、あれはやらせると言ったら有無を言わせずやらせるのだ。
鈍痛に顔を顰めながらちらりと見ると保隅がびくりと硬直した。あーあー可哀想に、俺もこいつも。
苛立ちが抑えられなかったので保隅に比較的良心的なチョップを喰らわせ、俺はその場を去ることにした。
面倒くせぇな。

誘ったのはほんの気まぐれだった。
たまたま夏祭りの話題になってて、たまたま傍に居て、たまたま目が合ったから、「一緒に行きませんか」と言ってみた。
ら、少々戸惑っていたものの池田先輩は「行こっかな」と目を細めて笑ったのだ。
あの時の伊佐美の顔は思い出しただけでも腹立つ。一時の方向に鳩尾ストレートを決めるに値する。
そんなことを暮れ行く空を見ながら石段にぼけーっと座りながら思い返していた。
面子は俺と伊佐美と池田先輩。
伊佐美は浴衣の着付けで遅れてくるとメールが入った、別にお前の浴衣は見たくねえよと返信したがあんたに見せるためじゃないわよとご最もな意見を頂いた。
池田先輩は浴衣なのかな……絶対似合いそうだけど女物の浴衣しか知らない俺の妄想では可愛らしい柄を纏った池田先輩しか登場しなくて、失礼な気がしてやめた。
大体当の俺は私服である。洗濯の終わった衣類の山の上から適当にタンクトップをチョイスし、夜は寒かろうと思ってチェックのシャツを上着にした。
そしてたぶん着てておかしくない暗い色のハーフパンツとサンダルという出で立ち。地味で結構だ、別に目立ちたくないし。
「お待たせ。ごめん待ってただろ」
現れた池田先輩は私服だった。そりゃそうか。
なんかだらーんとして左側だけ写真がプリントしてあるTシャツになんかお洒落なジーパン!ごちゃごちゃしてないアクセサリーがたぶんお洒落!!
頭の悪そうな感想でどうしようもないがファッションについては疎いのでこれが限界だ。興味も無い。
「そんなに待ってないっすよ!」
出来るだけ元気な声でそう言うと池田先輩は曖昧に笑っていた。
……とても言えないが、やっぱり可愛い顔だ。身長が俺より高いけど、それでも下手したらボーイッシュな女の人に見えるんじゃないだろうか。
これでこの人ついてるもんな……と下世話なことを考えていたところ無言の空間を不審に思ったのか池田先輩が「どうしたの」と眉を潜めた。なんでもないっす。

祭が毎年やってるのは知ってたけど興味が無かった。人がうるさくて、目がチカチカして、必要以上に疲れそうだ。
あんなところ何が楽しいんだと斜に構えてたし、友人から誘われることもなかったので過去に傍を横切ったことすらない。
今でもさっぱり意味を見出せないが、この年になって初めて出来た小さな恋人が一緒に行きたいと駄々を捏ねたので行くことにした。
行くに当たって浴衣はいるものだろうと昔親が買ってくれたが一度も着なかったそれを引っ張り出した。よく捨てていなかったものだ。
流石にそれはもう着れなかったので自分はスーパーで買った甚平を着ることにした。
「……別に浴衣着るつもりなかったのに」
「おいそれもう言うなよ、俺が張り切ってたみたいじゃねえか」
「張り切ってたんじゃないんですか?」
「祭に普通の服で行くのがおかしいかもって思っただけだし」
「はいはい」
結果この様である。恥ずかしくてしょうがない、今絶対顔が赤い。
左藤はいろんな理由から楽しそうな顔をして、浴衣に袖を通して遊んでいる。聞いたところ、浴衣は着たことが無いらしい。
和服は撫で肩によく似合うと言うので、それが本当なら左藤に似合うはずだ。
「おい、さっさと着替えるぞ。時間無くなる」
「あ、はい」
急かすと、左藤は着ていた服を脱ぎ始めて下着だけになった。そのまま浴衣を羽織る。ここからは俺の仕事だ。
首を擡げそうになる性欲を抑えつつ浴衣に手をかけると、白い肌を汚す痣が目に留まった。春頃から初夏にかけての、罪。
たまらず浴衣の美しい柄で隠した。深い紺色に華美過ぎない格子模様は左藤にしっくり来る。
「先生、凄いですね」
「なにが」
「浴衣の着付けも出来るなんて」
「覚えれば簡単。最近ネットで調べただけだし」
「またそういう……」
彼は時々こうやって不機嫌になるのだが今一つどうすればいいのかわからない。唯一救われるのは、むくれたあとに何故か優しく笑うところ。
浴衣の帯も結んでやって、あとは俺が着替えるだけとなった。シャツを脱ぎ捨てて適当に置いてあった甚平を手に取る。
後ろから視線を感じたので振り向いてみれば少し顔の赤い左藤と目が合った。意地悪く笑ってみせる。
「なんだよ、ヤりたいのか?」
「……お祭行けなくなっちゃうから、嫌です」

屋台は子供たちが躍起になってむやみやたらに賑やかしい。幼さの独壇場を大人たちは抑えきれず、雰囲気にも呑まれて大童。
辺り一面に湿り気のある香ばしい香りが煙たく渦巻いている。
風が熱いのは季節のせいなのか、オレンジの灯りに温められたのかはわからないが、ちょっと苦しくなって息を吐いた。
「先生大丈夫?なんか飲み物買って来ようか」
ピントが今一合わない視線をずらして隣に居た、五十嵐に向ける。
屋台の暖色と夜空の寒色、二つの光を受けてなんだかいつもとは別の雰囲気だ。
彼にこの場はとても様になっている。瀬戸口はぼんやりとそう思って、言葉にはせず口元には微笑を飾った。
「いいえ大丈夫ですよ」
「そう?先生なんかこういうところ苦手そうだし、無理に付き合わせちゃった感あるし……」
「苦手ではないですよ、あんまり来たことはないけれど。だから、大丈夫」
「そっか、なら良かっ「あやちゃん!見て見てレアカード!!レアカード当たった!!」
視線を今度は下に降ろせば五十嵐によく似た、と言うかまるでそのまま小さくしたかのような子供が服を強く引っ張って戦利品を見せている。
男児に人気のあるらしいそのカードには加工がされていて、灯りを受けて虹色に光っていた。
この子は光くん。五十嵐の小学生の弟で、さきほど出会ったばっかりだ。
はじめまして、瀬戸口綾乃です。と自分が悪い大人でないと証明するため物腰柔らかに自己紹介したら途端にあやちゃんと呼ばれて懐かれた。
「光!先生にちゃん付けしちゃ駄目だろ!!」
「あやちゃんって呼んでいいって言ったもん!!」
「それでも駄目なんだよ!!
「いーだ!!」
一通りの口争いは一方的に光くんが終わらせ、喧騒の中に潜っていった。慌てて五十嵐が見失わないように追いかける。
その五十嵐を見失わないように早歩きで、瀬戸口も追いかける。
彼は背が高いほうだ、それなのにこの妙などんちゃん騒ぎの中ではその影が掻き消されてしまいそうだった。
まあ自分は小さいし。そうだ、自分のほうがかき消されてしまいそうなんだ。
彼の弟を呼ぶ声を頼りにふわふわと、現実味の無い不思議な感覚で歩いていく。

手伝い先はなんてことの無い、射的屋だった。ちょっと傷の多いおじさんたちが調子の良い声でガキ共を呼び込んでいる。
それで俺たちは、制服代わりに渡された浴衣を着て屋台に立っていた。ゴム鉄砲を渡したり、景品を渡したりする係り。
浴衣着用のときも保隅はもたもたしていて、上半身裸になるのは恥ずかしいと言って仕舞いにはさっさとしろとシャツを引っぺがされていた。
浴衣自体はなんだかよくわからないが簡単に着れるようになっている既製品だったのにそのお陰で随分周囲がぴりぴりしていた。
あいつ本当にイラつかせるの得意だな。才能だな。腹立つ。
ちなみに流石に下は脱げなかったので足は二枚重ねでちょっと蒸れている。不愉快なものだが、忙しくなるとそれどころじゃなくなった。
なんせガキがひっきりなしに来るし、連れに良い所を見せたい親父が張り切って挑戦するわけだ。
お金を頂戴したり景品を渡したり位置を直したり、仕事は尽きない。学校祭と似たようなもんだと思った。
面倒くさい。いらいらする。時々の休憩の度に体が疲れを思い出してしょうがない。かと言って暴力沙汰を起こすわけにも行かず悶々している。
少し奥まった森のほうに入っては木を殴ってみたりしてみるのだが全然スカッとしない。
畜生山義の野郎が絡んでなかったらこんなのすっぽかしてるのに。
「お、おに、鬼薊、くん、あの」
震えた声のほうを向けば、そこに保隅が立っていた。暗闇に隠れてよくわからないが、いつも通り情けない顔をしているんだろう。
いつもなら理由なしに躊躇わず顔面に拳を入れているところだが、今は抑えている。
「んだよ」
「ひ……あ、いや、そのこれ、貰ったか、ら」
おずおずと差し出した手には缶ジュース。
「飲んで良いって、おじさんたち言ってた」
決して遠い距離ではないが、保隅の腕はあまり伸びていなくてぎりぎり届かない。こういうところが本当に癪に障る。
舌打ちをして一歩踏み出せば保隅も下がった。もう一歩踏み出せば、今度は二歩ほど後ずさり。
「……てめーは渡す気あんのか、あぁ?!」
「ひぃ!!ごごごごごごめんなさい!!」
すくみ上がって動けないうちに弱く握られた缶をひったくった。叫んだせいで、元々渇いていた喉が痛い。
口の中もカラカラだった。少ない唾液を飲み込むと、ふと、舌が歯に当たった。
「そ、それじゃ、俺、もう行く……」
そう言って保隅が背中を見せた。忙しなさから少しよれた着物が、最初よりも肌を見せつけている。
これじゃねぇか。
「っあぅ、?!」
きっと一秒にも満たなかった。行動は早く、背中の布を強引に引っ張って首に強く強く噛み付いた。
出来るだけ深く食い込ませる。じわりと血の味がしたところで、離した。
「え、え、なにして、え?!」
保隅は顔を真っ赤にして固まり、どうやら動けないようだ。なんだかおかしくて腹の底から笑ってやった。
そうだ殴れないなら噛み付けばいい。加虐心は満たされるしこいつをからかえるし、いっせきにちょうだ。
一通り笑ってもまだ保隅はそこに居たのでにやりと口を歪ませ、芝の上に押し倒した。当然更に赤くなって硬直する保隅。
「なあ、もうちょっとやらせろよ」

伊佐美遅すぎだろなにやってんだ。柄にも無く、入学当初から何故かよく隣にいるオカマが早くこの場に来ることを望んでいた。
だって!池田先輩がずっと横に居るとか心臓に悪すぎる!!人混みに紛れて肩とか当たっちゃう!!!
「あ、ヨーヨー掬い!ヨーヨーっすよ!!」
「さっきから色んな所で取り捲ってるじゃん、まだ取んの?」
「俺すぐ壊しちゃうから多すぎて困ることないっす!!」
我ながらアホな言い訳をして屋台の前まで早足する。さっきからこうして気を紛らわしている。
お陰で財布が寂しくなりそうだ。店番のお姉さんに200円を渡して針金を受け取り、綺麗な青いヨーヨーに狙いを定めた。
今日だけで随分達人になったんじゃないか俺。あっさりと取れた上にたまたまもう一個引っ掛かって、秘儀二本取り。
お姉さんが凄いねーと軽く拍手をしてくれて、隣でやっていた子供たちはすげーすげーと俺をキラキラした目で見ている。
まいった。こういうのもちょっと苦手だ。いやその、どうも、なんていいながら、後ろで待っていた池田先輩のほうへ戻る。
……あれ、誰かと喋ってる?それにしては池田先輩の表情は暗いような。もしかして、絡まれてる?
「先輩?」
「……あ」
先輩の顔が途端に真っ青になった。俺を拒んでいるみたいだ。この顔、知ってる。
先輩の噂。陰でどう言われてるか、どう扱われてるか。自分からは語ってくれなくても、嫌でも耳に入ること。
「なになに俊介ちゃん、後輩とデート?」
ゲラゲラと煩い笑い声が一際大きく響く。
「ごめんなー、俊介ちゃん今から俺らと遊びに行くんだ。デートはここでおしまい!」
「ていうか今日もう処女じゃないんじゃね?こいつに穴使われてたりして」
「えーまじかよ!綺麗じゃないと俺やだなあ」
困惑と憤慨が腹の中を駆け巡る。池田先輩は俯いてとっくに表情を失くしていた。人形の顔。
俺はぐっと拳を握り締め、覚悟を決めた。醜い言葉を一切無視して、池田先輩の手を握る。
くるな、と、先輩の口が動いた気がするけれど、そんなのも気にせず、先輩の手を引いてその場から逃げ出した。
俺ちょっとかっこいいんじゃない?逃避行だ。

「なんか、お目当てのものとかあんの?」
「お目当てってほどじゃないですけど……お祭にきたからにはチョコバナナが食べたいです」
「……」
むやみやたらと楽しそうな左藤を尻目に、俺は既にぐったりしていた。予想以上の騒ぎだ。
藪乃坂は決して都会というような町じゃないので娯楽の場所が限られている。こういう祭があれば人が押し寄せてくるものだ。
思わず、深く溜め息。インドア派でそこそこ年も行ってるので、認めたくないが体力の衰えを感じる。
その点若いと元気だなあ。左藤も体質が体質だしそこまで外遊びが好きそうには見えないんだが。
言うが早くイチゴ味のチョコバナナを買って食べている。女の子かよお前可愛いな!
「先生なにか買わないんですか?」
「あ?別にねぇよ……お前は他に食べたいものとかあんのかよ」
「んー、あっ、クレープ」
「女かっつーのお前は」
「失礼な、僕はきちんと男ですよ」
どこがだ、と突っ込みたくなるのを抑えて茶化すように髪をぐしゃぐしゃ撫でる。こいつはこれが好きらしい。
子供っぽい奴は本来苦手な性分のはずなのに、痘痕も笑窪というか、惚れた弱みと言うか。可愛いとつい思う。
口元についたチョコレートにはあえて触れずチャンスとばかりに、唐突に舐め取った。
「……先生今日盛り過ぎじゃないですか?」
「夏だからな」
「くだらない理由ですね」
「祭の後相手してくれよ」
「……仕方の無い人だなぁ」

彼に、辿り着いた。腕を組んで弟を見守っている五十嵐は、どこか頼もしい。
つんつんと指で彼を振り向かせると、彼はほっとしたような困ったような顔をした。
「ごめんね先生、置いてった」
「いえそんなこと、ないですよ」
「弟騒がしいでしょ……」
「元気で良いことです」
当の光くんは、今度は別の屋台でくじ引きを引いている。
彼のお小遣いはそろそろなくなるのではないだろうか……少しあげようかな、と思い財布を取り出すと、五十嵐が、待って、と静止させる。
「先生にお金使わせるわけには行かないですよ、使い切っちゃったら、それでおしまい」
「……はあ」
「気持ちだけ俺が受け取っとく、ありがとうございます」
「……いえ」
言い分は尤もだ。だけど、なんだか寂しい。不意に思っていたやり取りと同じことをしている母子の姿が視界の端に映った。
羨ましい。だって、三人で歩いてこうしていると。
「……親子みたいなのに」
「ん?何ですか?」
「いいえなんでも」

走って、走って、祭も抜けて、気付けば川原沿いまで来ていた。そろそろ限界だ。
……うっわ、心臓飛び出そう。頭ぐらぐらする。
「橋野」
もうなんにも聞こえないな、もうあいつら、来ないかな。先輩にあいつらって言っちゃまずいかな。
でも心の中だけだし、先輩なんて絶対呼びたくないような輩だったし。
「橋野」
ていうかさっき携帯鳴ってた?伊佐美からだろうな、あいつ遅すぎだよ。
もう祭に行けねぇよ。怖くて。
「橋野!」
「はい!?」
びたん!と急に立ち止まると、無理矢理に動かしていた体に重力が必要以上に圧し掛かる。
肩を大きく上下して、互いに何度も息を吐きながら見詰め合った。言葉が出ない、というか、口すら動かせない。
俺はまだ手を握っているのをいいことに、短い草に覆われた川原までゆっくりと連れて行った。
そして寝転がる。虫刺されだけは厄介だが、時折吹く風がきっと気持ち良い。
池田先輩は立ち止まっていたけどしばらくして俺の横に座った。
げー、気持ち悪い。運動が苦手とは言わないけれど、疲れるのは得意じゃないな。
「……ありがとう」
「え、なんすか」
「橋野が連れ出してくれなかったら俺今頃あいつらとセックスしてた」
「ぶっ、げほ、げほ、はっ」
突然なんてこと言うんですか。俺の変なリアクションも気にせず先輩は話を続ける。
「俺一人じゃ逃げられなかった。……後輩に頼るなんて情け無いよな」
「……や、別にいいんじゃないすか?ていうか、助けたことになって良かったっす」
「あは、橋野ほんと細かいこと気にしないよな」
「それはどうも?」
先輩がくすくすと笑っている。可愛らしい。ずっとこうやって笑っていてくれればいいのに。
……いや、いやいやいや、何考えてんの俺。いつまでも呼吸が落ち着かない。
ちょっとやらしい話題に触れたからって、結構俺って獣なのかもしれないな……後ろめたい気分でいっぱいだ。
「はあ……でも、流石に走りつかれた」
「あーすみませ……げほ」
その後、きっちりと女の浴衣を着て来た伊佐美に見つかりお互いにあーだこーだと文句を言い合い、
びくびくしながらもう一度祭をまわった。まぁ、あいつらはいなくなってたので無事だった訳だけど。
「来年は、ゆっくりしたいっすね」
「そうだね……」





7月24日、恋人たちオムニバス。

伊式十三丸