サイバージュブナイル スクールホリック - ワールドマスター

ルサンチマンの永遠の少年少女計画

竜三千万日会という少女がいた。
彼女の全知全能は、若干3歳にして高校生を超えるレベルの発達を見せたことから
あらゆる分野の科学者から将来を期待されたものであった。

小学二年生、少女は不幸な事故によって死ぬ(もしくは仕組まれていたのかもしれない)。
彼女の全知全能を生かすため、キルケゴール究明機関は彼女の脳を組み込んだコンピューターの試作品を作った。
全知全能と言えど、まだ8歳。精神的な幼さを成長させなければならないという問題を解決するためにそのコンピューターは独立したサーバー上に繋げられ、少女の能力を飛躍させるプロジェクトが開始される。
教育機関を模倣した仮想空間に、希望者による同じ境遇の子供の知能を組み込んだAIの投入、一生徒として、学校全体として少女は成長を遂げていく。
行く行くは世界一優秀な人工知能という用途に使用するために。

しかし少女が高校卒業を迎える年齢になり、プロジェクトも最終段階に入ったところで少女の知能は学校の外へ行くことを頑なに拒んだ。
少女は、このモラトリアムこそが人生で一番美しく楽しい時間であるという結論に至ったのである。
機関と少女の攻防は、少女の勝利と彼女が構築した超能力的な計算不可能な全てによって幕を下ろした。
機関はこれ以上学園に関与出来なくなり、表向きはプロジェクトを凍結、研究所を閉鎖してそこから立ち去ることになったのである。
少女は新たな生徒を求め、独立していた閉鎖されたサーバーを限定的に開放し、子供に影響する周波数をばらまき始めた。全ては楽しい学園生活のために。
現実の、現実的な学生を取り込み、自身の知識の拡大と箱庭のクオリティのために。

しかし学園は人の手から放棄された。
今は残された自動更新プログラムと、少女の成長する人工知能が学園を守っているが開放されたサーバーにはあらゆる負担がかかるだろうし、手入れのされないコンピューターの劣化は絶対である。
学園はもうじき壊れてしまうのだ。


「大人たちは世界のあらゆる問題をどうにかするために僕の未来に期待したけど、断言するよ。もう世界はどうにもならない。僕がどんなに考えてもだ。そんな世界のためにどうして生贄にならなきゃいけないの?」

竜三千万日会(るさんちまん-にちえ)

【計測不可能】パーソナルエフェクト。全てのステータスに数値を持たず、制限無く使うことが出来る。
【一にして全】全てのパーソナルエフェクトを1回ずつ使うことが出来る。
【多次元からの干渉】アクションを2回行うことが出来る。
【マイナス・フォーサイト】デメリット。戦闘に参加するPPの《バイパス》÷2ラウンド(小数点切り捨て)で戦闘が終了しない場合、このエネミーは戦闘から離脱する(エネミーを倒したことにはならない)

学園に組み込まれた天才。予知にも似た予測を建てられるが故に世界に意味を見いだせなかった。
もしくは利用されることに対しての反抗かもしれない。
彼女はオブザーバーのふりをながら学園で楽しく暮らし、日々やってくる子供たちの能力を見出し、 やがて来る崩壊を見ないふりして学園を更新し続ける。