神隠しにあった子が戻ってきても、迎え入れてはならない。
その子の中には堕ち神が宿りやがて災厄をもたらすからである。
堕ち神の依り代はなんであれ、壊さねばならなかった。
現世に留まる術を失くせば堕ち神もやがて天に救われるからだ。
だから、神隠しにあった子は、"神隠れ"は、殺さなければならなかった。
歴史が伝承を忘れても、伝承は歴史を覚えている。
現代現世に移ろうが、神隠しは起こり神隠れは現れる。
ならば伝承を知る者が神隠れを殺さねばならない。
さあ、賽は投げられた。
語り継がれぬ、されど失くしてはならぬ、今様なる神隠しを物語ろう……。
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診断メーカー「今様神隠し譚PCキャラ作ったー」
【用語説明】
神隠し(かみかくし)
日本全国でよく耳にすることが出来る伝承の一つ、「失踪事件」。
人が突然姿を消してしまい消息が掴めなくなってしまうこと。
勿論ただの失踪である場合もあるのだが堕ち神や妖怪が関わっている場合もある。
神隠れ(かみかくれ)
神隠しから帰ってきた者を、伝承を知る者が名付けた言葉。
姿を暗ましていた間に堕ち神に唆され、その依り代となった者のこと。
大抵の者は正気を食われているために命を救うことが出来ない。
堕ち神(おちがみ)
昔の時代に神格として奉られていたが、やがて依り代を奪われ打ち捨てられたもの。
もう一度奉られることを望み神隠れを中心として瘴気で人を操るが、
瘴気を纏った体は周囲に不穏をもたらし災厄を招くため神職者や天の神は危険視している。
瘴気(しょうき)
堕ち神が振り撒く禍々しい神気。当然ながら良いものではない。
濃い瘴気の中では誰もが息苦しさを感じ、心身に異常をきたしてしまう。
依り代(よりしろ)
神が現世に留まるために必要な器。神社や神籬などが一般的。
この依り代に長くい続け神としての威厳を示し奉られることで周囲が神域と化す。
そうなると崩すのは容易ではなくなり、実質干渉不可能になる。
神域(しんいき)
現世に存在する、神がその力を使い人々に直接影響を及ぼせる場所。
大抵は神聖な場所であるが堕ち神の神域は瘴気に溢れている。
また、神がその形を保てず崩れ、力だけが残った場所も神域となる。
現世(うつしよ)
人が生きる世界。死後の世界は幽世(かくりよ)と言う。
伝承が忘れられ畏れられていない今の時代を嘆く者もいるようだ。
ちなみに現世に神が下りるとたちまち神気が穢れてしまう。